目次
- 維新が突きつけた「身を切る改革」条件
- 自民党内に広がる波紋と反発
- 背景にある維新の戦略的狙い
- 政界再編へのカウントダウン
1. 維新が突きつけた「身を切る改革」条件

日本維新の会が、自民党との連立協議に向けて「衆議院の定数を50削減すること」を絶対条件として提示したことが18日、関係者への取材で明らかになった。
維新は結党当初から「身を切る改革」を旗印に掲げており、今回の要求は単なるパフォーマンスではなく、政界再編の起点とする強い意志を示すものだ。
松井一郎代表代行は記者団に対し、「政治に信頼を取り戻すには、まず国会議員が身を正すことが先だ」と語り、譲歩しない姿勢を強調。維新としては、定数削減を連立交渉の“踏み絵”と位置づけ、自民党の本気度を試す構えだ。
2. 自民党内に広がる波紋と反発

一方、自民党内ではこの動きを警戒する声が相次いでいる。地方選出の議員を中心に、「定数削減は地方切り捨てにつながる」「党勢が弱まる」との反発が強い。
党幹部の一人は「地方の理解なしに制度をいじるのは危険だ」と述べ、安易な妥協に慎重な姿勢をにじませた。
しかし、岸田首相周辺では「改革姿勢を示す好機」として、維新との接近を前向きに捉える声もある。低迷する内閣支持率を打開する一手として、政治改革の旗を再び掲げたいとの思惑が透ける。
3. 背景にある維新の戦略的狙い

維新がこのタイミングで定数削減を打ち出したのは、単なる政策提案ではない。
党関係者によれば、「地方分権・財政再建と並ぶ“改革3本柱”を明確に打ち出し、保守層を巻き込む狙い」があるという。自民との連立を視野に入れながらも、国民に「改革政党としての原点」を印象づけたい考えだ。
さらに、次期総選挙での勢力拡大を見据え、与党との協議を通じて政策実現力をアピールする戦略も透ける。
4. 政界再編へのカウントダウン

もし自民・維新が歩み寄れば、戦後政治の枠組みを揺るがす大転換となる可能性がある。
選挙制度改革は、単なる議席数の調整にとどまらず、「政治のあり方」そのものを問うテーマだ。
定数削減をめぐる攻防は、単なる政局の駆け引きではない。国民の信頼を取り戻すための本気の改革か、それとも政治的取引か――。
日本の政治が次のステージへ踏み出せるかどうか、その行方に注目が集まっている。

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