金価格、史上初の1万8000円突破 —— 歴史的高値の背景と今後の展望

目次

1. 歴史的節目、ついに1万8000円超え
2. 上昇の主因：インフレ・円安・地政学リスク
3. 投資家心理と金需要の高まり
4. 国内市場と生活への影響
5. 専門家の見解と今後のシナリオ
6. 過去最高値との比較
7. これからの注目ポイント

1. 歴史的節目、ついに1万8000円超え

2025年9月1日、国内の金価格が1グラムあたり1万8000円を突破した。2010年代後半に5000円前後だった価格は、わずか十数年で3倍以上に上昇。今回の到達は「金の時代を象徴する出来事」として市場関係者の間で大きな話題となっている。

2. 上昇の主因：インフレ・円安・地政学リスク

価格高騰の背景には、世界的なインフレ懸念、米金融政策の転換点、そして中東・ウクライナ情勢をはじめとする地政学的リスクがある。さらに、1ドル＝155円台という歴史的な円安が、海外相場を上回るペースで国内価格を押し上げた。

3. 投資家心理と金需要の高まり

株式や暗号資産市場が不安定さを増す中、「最後の逃避先」として金が選ばれている。個人投資家だけでなく、年金基金や海外ファンドまでもが金への投資を強化。需要の広がりが、かつてない水準まで相場を引き上げた。

4. 国内市場と生活への影響

高値は投資家にとって追い風となる一方、一般消費者にとっては負担となる。宝飾品の価格は上昇し、結婚指輪や贈答品の購入コストが増大。さらに工業用途でもコスト増が企業収益を圧迫し、製品価格の上昇を通じて生活に波及する恐れがある。

5. 専門家の見解と今後のシナリオ

ある大手証券アナリストは「短期的には1万9000円台を視野に入れる展開」と強気の見方を示す。一方で「高騰スピードが速すぎるため、利食い売りによる調整も避けられない」と慎重論も根強い。

6. 過去最高値との比較

2020年には新型コロナの影響で7000円台に到達したのが当時の最高値だった。そこからわずか5年で2倍以上の水準へ。過去の上昇局面と比べても、今回のスピードは異例だといえる。

7. これからの注目ポイント

今後は、米国の金利政策、為替相場の動向、そして中東情勢の変化が金価格のカギを握る。日本市場では「安全資産」としての金の役割が一段と高まる一方、消費と産業活動への影響をどう和らげるかが課題となるだろう。